英国は、安全で拡張性の高い量子ネットワーク技術を開発するための主要な新構想である「統合量子ネットワークハブ(IQN Hub)」を立ち上げました。ヘリオット・ワット大学が主導し、EPSRCと業界パートナーから4200万ポンド(70億8400万円相当)を超える資金提供を受けているこのハブは、全国的な量子インターネットの基礎を築くことを目指しています。13の大学、2つの国立研究所、そして40以上の企業が連携し、量子通信インフラストラクチャ、プロトコル、そして標準における中心的な課題に取り組みます。
IQN Hubは、特にエンタングルメント配信と量子鍵配送(QKD)における英国の強みを基盤として構築されており、安全なデータ伝送から分散型量子コンピューティングまで、幅広いユースケースを対象としています。初期の目標には、量子メモリ部品の開発、既存の光ファイバーインフラストラクチャへの量子信号の統合、そして衛星ベースの量子通信の実現が含まれます。これらの取り組みは、2035年までに世界最先端の量子ネットワークインフラストラクチャを展開するという英国の国家量子戦略目標に合致しています。
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