大阪大学、イオン捕捉型量子コンピュータのクラウド接続を自動運用で実現


大阪大学量子情報・量子生物学研究拠点(QIQB)の研究グループは、宮西 康一郎講師と豊田 健二教授の指導のもと、イオン捕捉型量子コンピュータをクラウド経由で遠隔操作できるシステムの開発と試験に成功しました。これは、¹⁷¹Yb⁺線形ポールトラップ装置から制御システム、クラウドソフトウェアに至るまで、遠隔での単一量子ビットゲート実行に必要な全ての技術要素を統合した、日本初のイオン捕捉型量子コンピューティング環境となります。

安定した長期的な遠隔利用を実現するため、本システムには自動イオンローディング、自動レーザー位置補正、継続的な状態監視といった不可欠な自動化技術が組み込まれています。この統合制御システムにより、研究者が装置に直接触れることなくイオン捕捉型量子ビットを維持することが可能となり、24時間稼働可能な量子コンピューティングプラットフォームへの道が開かれます。クラウド接続は、大阪大学QIQBで開発されたオープンソースソフトウェアプラットフォームであるOQTOPUS(Open Quantum Toolchain for Operators and Users)を使用して実現されています。

ここから先は

320字

有料会員になれば全ての記事を読むことができます。