NASA、地球観測のための初の宇宙量子重力勾配計を準備中

NASAジェット推進研究所（JPL）の研究者たちは、民間パートナーであるAOSense社、Infleqtion社、Vector Atomic社と共同で、量子ベースの重力測定を宇宙で実証するための「量子重力勾配計パスファインダー（QGGPf）」プロジェクトを進めています。NASAの地球科学技術局（ESTO）の支援を受けて、このミッションでは、地球の重力場の変化をこれまでにない感度でマッピングするために、小型の量子センサーを搭載した宇宙船を配備します。QGGPfシステムは、2つの超低温ルビジウム原子雲を試験質量として使用し、量子波干渉を通して差動加速度を測定します。

このセンサーは、従来の重力勾配計よりも大幅に小型軽量化されており、体積は約0.25立方メートル、重量は約125キログラムです。古典的な機械的質量の代わりに量子物質波を採用することで、従来のセンサーと比較して最大10倍の感度が期待されています。このミッションの主な目的は、地球観測、惑星科学、基礎物理学研究における将来の応用に向けて、量子技術を検証することです。