マイクロソフト、初の稼働トポロジカル量子ビットデバイスの開発を発表


図1 – マイクロソフトの8量子ビットMajorana 1デバイス。提供:マイクロソフト

はじめに

約20年の開発期間を経て、マイクロソフトは制御可能なトポロジカル量子ビットモジュール設計を開発しました。同社はこの設計を急速にスケールアップし、数年以内に100万量子ビットの誤り訂正量子コンピューターを製造する予定です。理論的には、トポロジカル量子ビットは、信頼性、速度、サイズの3つの望ましい特性をトレードオフなしで兼ね備えているため、最適なタイプの量子ビットとなる可能性があります。実際には、トポロジカル量子ビットは、これまで理論上の粒子であり自然界には存在しないマヨラナゼロモード(MZM)の活用に依存しているため、構築が非常に困難でした。トポロジカルアプローチの重要な利点は、情報が非局所的に保存されるため、ノイズによって状態が乱されることがはるかに困難になることです。言い換えれば、ハードウェアアーキテクチャに何らかのエラー保護が組み込まれているため、ハードウェアと連携してエラーに対する保護を強化するエラー訂正コードの作成が容易になります。

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