インタビュー:D-Wave、SPACの秘訣と次の課題

日付:2022-08-14 提供:Quantum Computing Report 翻訳:Hideki Hayashi

金融マーケットに人々にとって、今年、とても苦労したのがSPAC(Special Purpose Acquisition Companies)でしょう。2021年に613社が上場できたのに対し、2022年8月現在、SPAC取引で上場できたのは74社にとどまっています。2022年2月に発表されたD-WaveとDPCMキャピタルのSPAC合併を最近完了させるには、さまざまな課題を克服する必要がありました。

この合併を成功させるために、36ヶ月間にわたって1.5億ドル(約200億円)を上限として普通株式を購入する必要があったのです。両社は、取引費用を削減するために当初の取引を修正し、さらにLincoln Park Capital, LLCと特別購入契約の締結などを経ました。


それでも、この取引は成功し、D-Waveは2022年8月8日、ニューヨーク証券取引所(NYSE)でオープニングベルを鳴らす栄誉を得ました。1999年に設立されたD-Waveにとって、この買収は非常に長い道のりだったでしょう。今回は、CEO、Alan Baratz氏に、この困難な状況下でSPACを成功させた秘訣と、上場企業としてのD-Waveの展望を伺いました。私たちがAlanに投げかけた質問(QCR)と、Alan の回答(Alan)は、以下に紹介します。




質問:ここ数ヶ月の経済状況により、SPACプロセスは非常に困難だったでしょう。これを通過させたD-Waveの努力に感銘を受けています。

 読者は、D-Wave がどのようにこの取引を完了することができたのか、また、この取引が量子コンピュータ企業にとって、当面最後の取引になると考えているか、あなたの見解を教えてください。


Alen:  私たちは未曾有の時代に生き、予測不可能な市場に直面しています。しかしD-Waveは、複雑な課題に取り組むことから決して逃げない会社です。誰も不可能だと考えていた量子コンピュータを初めて商品化したのも私たちです。今回も、現実的なビジョン、徹底的な問題解決、そして限りない粘り強さをもって、SPACのプロセスに取り組みました。他のSPACについて推測することはできません。ともかく、取引を成立させることは非常に困難でダイナミックなプロセスであったと言えます。


最も重要なことは、私たちの本業から目をそらさないことでした。ビジネスを運営し、量子コンピュータの需要を生み出し、CQMソルバーや米国での新システム、次世代実験用 Advantage2 プロトタイプなどの製品を提供しながら、次世代 Advantage2 製品の開発、ゲート型の量子コンピュータ開発、顧客との新しい量子ハイブリッドユースケースの開発などを継続的に行ってきました。


このように、事業と製品の提供に集中することが、投資家の皆様に価値を提供し、最終的には資本市場へのアクセスを確保し、当社の資金調達能力を高め、成長を加速させるための中心的な役割を果たしたのです。



質問:また、SPACの償還(債務の返済)が、予想より少し多かったようです。このことでD-Waveが何か事業計画の調整を考えていますか?


Alen:  償還に関するデータはご存知の通りですが、私たちは、取引を成立させている他の数社と同程度の水準にあります。このような事態を想定し、企業結合に加え、他の資本手段を確保するよう計画しました。


今後、当社は成長戦略を加速させるための体制を整え、公開市場で利用可能な資本への新たなアクセスにより、量子コンピューティングソリューションの提供を進め、顧客が量子の力を利用して最も複雑なビジネス課題を解決するのを引き続き支援していきます。