Classiq Technologies 記者向説明会

日付:2022-08-01 提供:Quantum Computing Report 翻訳:Hideki Hayashi

先日、Classiq Technologies社による記者会見があり、QBM編集部も参加してきました。同社CEOの ニール・ミネルビ(Nir Minerbi)氏の発表、質疑応答の模様をお伝えします。



企業紹介

Classiq社 は、2020年に創業し、イスラエル及び米国を拠点とした量子ソフトウェア企業です。抽象度の高いアルゴリズムを作成可能にする量子プラットフォームを提供しています。



会見

会見は、次のニール氏の挨拶からはじまりました。


「日本を戦略的に重要なマーケットであると考えています。近く(数か月以内)、東京オフィスを開設する予定です」


QBMでは、同社が日本および欧州に販売、サポート拠点を展開するプランを、2月にお伝えしました。今回はニール氏から、より具体的な発表を聞くことになりました。設立背景、資金調達、そしてイスラエルの開発拠点メンバーなど同社の紹介があり、世界的に量子コンピューティングの時代に入ってきたという話に入ります。


古典コンピュータの初期におけるパンチカードと、ゲート型の回路を並べた資料は面白い比較で、その後VHDL(ハードウェア記述言語)から電子回路の合成と、QDL(量子記述言語)から合成された量子回路へと続く説明は、同社の提案する「抽象化」「スケーラビリティ」「最適化」をとても分かりやすいものにしていました。


続いて、日本との接点となるNTT DATAとの関係に関して。両社は、与信判断改善のため信用リスク分析について、より良いアルゴリズム開発を協業しました。Classiqのプラットフォームを活用して複雑な量子回路を開発。その後、NTT Financeから資金提供を受ける結果に結びついたといいます。


技術的には、量子ソフトウェアのチャレンジとして、まもなく迎える、1,000量子ビットを超える回路の登場にあわせた設計に関して、同社の優位性がアピールされました。

最後に、ニール氏の個人的な話として、イスラエル政府に対しても「日本をイスラエルにとってのロールモデルにすべきです」と意見しているという、日本贔屓のエピソードがありました。



質疑応答


- 量子コンピュータのハードウェアの現状について、問題点、期待する点など


ニール氏:ハードウェアは大きなチャレンジであり、IBMやGoogleなどの大企業が牽引している。一部のユースケースに関しては2~5年後に実用化されるかもしれない。ハードウェアの充実に対して、エンドユーザがすぐに対応できるよう準備したい。


- イスラエルを拠点とする量子企業として地政学的なメリットは?


ニール氏:まず1点は日本との友好関係であるし、地政学的な点としては、欧米や近辺諸国との友好関係を築いている点。


- 日本企業とのコラボレーションで感じたことはあるか?


ニール氏:大手企業と大変なこととしては、プロセスがスローである、という点はあるかもしれない。しかし、エンジニアも含めてとても優秀であり、信頼できる。



最後に


Classiqは、NTTグループの他に、住友商事や慶応大学など、他の日本企業・組織とも連携しています。CEOのニール氏は、人柄に関して評判がよいと聞きます。日本拠点の開設を楽しみにしています。





★★★当マガジンで今年に入ってから掲載しているニュース


・Classiq、最適な回路作りを競うコーディングコンテストを開催

https://quantumbusinessmagazine.com/post/classiq-creates-a-coding-competition

・新規VC投資、Classiq、Universal Quantum、Qunasys

https://quantumbusinessmagazine.com/post/new-vc-investments-at-classiq-universal-quantum-and-qunasys

・Classiq社、シリーズBラウンドで3,300万ドル(約38億円)を調達

https://quantumbusinessmagazine.com/post/classiq-raises-33-million-in-a-series-b-round

・ClassiqとColdQuantaが提携、100以上の量子ビット・システムに対するソリューション提供を目標

https://quantumbusinessmagazine.com/post/classiq-and-coldquanta-partner-aimed-at-providing-solutions-for-100-qubit-systems



「Quantum Business Magazine」編集部