BASFとPASQAL、気候変動による影響を予測するための共同研究を実施

日付:2022-07-22 提供:Quantum Computing Report 翻訳:Hideki Hayashi


By Carolyn Mathas


 BASFと PASQALは、作物に関する収量や成長段階のシミュレーション、保護製品適用時のドリフト予測に使用する複雑な気象モデリングアプリケーションを、量子コンピューティングによってどのように改善できるかを共同で探求すると発表した。量子テクノロジーは、BASFが今日の古典的な HPC 能力をはるかに超えて拡張し、気候変動の影響に備え、より持続可能な未来を推進することを可能にする。


 「気象パターンは複雑な微分方程式によって支配されており、今日の最も強力な高性能コンピュータ(HPC)であっても解くのは困難です。微分可能量子回路(DQC)と呼ばれるPASQAL独自の量子手法は、これらの複雑な方程式をより正確に解くことを約束するものです」と、PASQAL のチーフ・コマーシャル・オフィサーである Benno Broer氏は述べ、さらに、「DQC は広範な微分方程式の問題を解きますが、重要な課題は、気象モデリングに関連する微分方程式のクラスに対して手法をパラメータ化することです。DQCは、古典的な物理情報ニューラルネットワーク(PINN)と多くの類似点を持つ量子ニューラルネットワークの手法であり、我々はそれらをDQCの手法と並行して実装しているのです。このようなサイドバイサイドの実装において、我々の量子開発者は古典的なPINN実装から学び、古典的なML開発者は量子(DQC)実装から学びます」と続ける。


 PASQALは、中性原子量子プロセッサーに量子ニューラルネットワークを実装し、複雑な非線形微分方程式を解くことを目的としている。このアプローチに相当する古典的な手法であるPINNは、すでに科学者やテクノロジー企業によって、気象や気候のモデリングに広く利用されている。例えば、NVIDIAは最近、PINNを活用した気候予測用の新しいAIスーパーコンピュータ「Earth-2」を発表した。


 「PASQALの中性原子量子ハードウェアは、アナログ・デジタル計算モードで動作させた場合、この種の量子を実装する上で最も効率的でノイズに強い方法です。多くの高価値の問題、それらの問題に対するより正確な解答を約束する手法、そして早期の量子的優位性のチャンスという組み合わせにより、PASQALのDQC量子手法はBASFのビジネス目標にうまく適合しています」と、Broer氏は付け加えた。


 詳細は、PASQALのホームページで公開されているプレスリリースを参照。